経営者の皆様、労働者を雇用する際に、法定三帳簿の作成は行っていますか。
労働基準法では、労働者を雇用している事業所に対して、法定三帳簿の作成を義務付けています。
法定三帳簿とは、「労働者名簿」、「賃金台帳」、「出勤簿」の3つの帳簿のことを指し、
労働基準法が定める期間(5年間。現在、猶予措置で3年間)保存しなければなりません。
また、社会保険・労働保険の手続きや調査の際に法定三帳簿の提出を求められることがありますので、法定三帳簿の作成を行っていない事業所様においては、必ず作成をお願いいたします。
それでは、今回は、法定三帳簿の1つである「労働者名簿」について解説していきたいと思います。
労働基準法では、労働者を雇用した際に「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日々雇い入れられるものを除く)について調製し、労働者の指名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない」とされています。
では、労働者名簿にはどんな情報を記載する必要があるのでしょうか。
厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーに様式があるので確認してみましょう。
具体的には、以下の情報が記載されていることが必要とされています。
1.労働者氏名
2.生年月日
3.履歴 ※社内での異動や昇進などの履歴を記載します。
4.性別
5.住所
※転居などで住所変更した場合も、その都度更新します。
6.従事する業務の種類
※社内での業務内容や役割を記載します。
※労働者数が30人未満の事業では、記入は必須ではありません。
7.雇用年月日
8.退職や死亡年月日とその理由・原因
※退職の事由が解雇の場合、その理由も記載します。
※従業員が死亡した場合は、死亡年月日と死亡の原因も記載します。
ちなみに、労働者名簿は電子で保管することも認められています。
電子で保管する場合は、以下の条件を満たす必要があります。
1. 労働者名簿を画面に表示し、印字するための装置を備えておくこと。
2. 閲覧・提出等が必要になった場合に、直ちに必要事項が明らかになっている写しを
提出できるようにしておくこと。
事業所にパソコンPCと印刷機があれば、問題ありません。
法定三帳簿の労働者名簿を作成していなかったり、5年間(現在、猶予措置で3年間)の保存期間を守っていない場合、労働基準法第120条により30万円以下の罰金が科される可能性があります。
労働基準監督署や労働者から指摘を受けないためにも、労働者名簿の適切な管理を行い、
定められた期間保存するようご留意ください。
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